shiraishiyaki

白石焼

主な生産地:佐賀

ひたむきな情熱が器に宿る

みやき町の皿山地区の窯元で作られた焼物を白石焼と呼びます。地元では伊万里・有田焼が「西目の皿山」、白石焼が「東目の皿山」と呼ばれました。
白石焼は、1806年に白石鍋島家が本藩御用窯のある大川内地区から陶工を呼び奇せ、御用焼を命じたことに始まります。この土地一帯にある「五穀(ごこく)さん」と呼ばれる白い砂混じりの陶石と天草陶石を原料にした、白磁に似たひび焼きを作らせました。
この焼物は佐賀藩では「南京手(なんきんて)」と呼ばれ、大変に珍重されました。江戸時代末期には京都の陶工、臼井走波(うすいそうは)を招き、野菊やザクロ、蘭などの花鳥画を中心に絵付けし、京風の「走波焼(そうはやき)」を作り上げ、白石焼の基盤を作りました。
昭和中期には、国鉄の鉄道茶瓶の大量生産により、皿山地区の窯元は大変賑わっていました。
現在は、白石神社の側に窯元が点在しており、個性的で味わいのある器を作っています。

 

伝統的な技法と独自の釉薬でつくられた花器

 

ヘラやカンナで付けた模様や、鉄絵具(てつえのぐ)で描いた模様が素朴な味わいを生み出す

 

特徴

およそ200年の歴史の中で受け継がれてきた伝統的な技法に、現代的な感覚を加えたデザインが特徴です。民芸的な素朴さと温もり、それぞれの窯元の作風とあいまって独特の魅力を放っています。

 

生乾きの素地に竹ヘラやカンナで模様付け

複数の陶石を混合して陶土を作り、ロクロやたたき板、石膏型を使って成形します。竹や金属ヘラを使って形状を整え、生乾きの素地にヘラやカンナなどで模様を付けて生素地を仕上げます。
日陰干しした後、窯で850℃前後まで温度を上げて、8~10時間素焼きします。その後、約20時間かけてゆっくりと冷まします。鉄絵具(てつえのぐ)や呉須(ごす)で素焼きした素地に紋様を描き、施釉(せいゆ)をおこない、内部温度を均ーにするため徐々に昇温した窯で本焼成(ほんしょうせい)し、磨き仕上げをして完成します。

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