世界の「佐賀牛」へ。JAと県・公社が「ワンチーム」で挑んだブランド確立の軌跡
佐賀県農業協同組合(JAさが)
数ある和牛ブランドの中でもトップレベルの「佐賀牛」。しかし、その地位に甘んじることなく、JAさがは早くから海外市場への挑戦を続けています。国内市場が成熟傾向にある中、いかにして「世界の高級食材」としての地位を確立したのか。公社が事務局を務める「佐賀県農林水産物等輸出促進協議会」とタッグを組み、長年にわたる地道な連携で切り拓いた海外販路拡大のストーリーを紹介します。
抱えていた課題:国内需要の限界と、海外ブランディングの壁
急激な少子高齢化や物価高騰で、国内市場は苦戦を強いられています。生産者の生活を守り、市場価格を維持するためには、海外への輸出が「至上命題」でした。しかし、いざ海外へ目を向けても、言語の壁や貿易実務のノウハウ不足という高いハードルが立ちはだかります。「やらなければならない」という危機感の一方で、具体的にどの国で、どうやって佐賀牛をブランディングすればよいのか、内部だけでは正解が見えない状況でした。加えて、言葉の壁は県職員が都度通訳してくれていましたが、県職員は2~3年程度で異動があり、異動のたびに海外の輸入業者との関係性を再構築しなければなりませんでした。
支援のアプローチ:現地の食文化と「フュージョン」させる提案力
県の人事異動に左右されずプロフェッショナル集団を作ろうと公社が立ち上がり、この協議会の事務局も引き継ぎました。この協議会をハブに、輸出入事業者等と連携したプロジェクトを実施していきました。単に肉を卸すだけでなく、言語面のサポートを受けながら、現地の一般消費者の「生の声」も収集。そのフィードバックを元に、佐賀牛本来の旨みを活かしつつ、現地の食文化と融合(フュージョン)させるメニュー提案などを行いました。一方的な押し付けではない、現地のニーズに寄り添ったプロモーションを展開しました。
支援を受けて改善したこと:生産者の誇りと、確固たる「定番化」
長年の取り組みの結果、海外での認知度は年々向上し、一過性のブームではなく「定番商品」として定着する国・地域を増やすことに成功しました。また、実際に海外のホテルやレストランで佐賀牛が高く評価されている事実が生産現場に伝わったことで、「自分たちの牛が世界で認められた」という自信が生まれ、生産意欲の向上という大きな副産物ももたらしました。
現場のエピソード:「佐賀が一番にやる」という先駆者精神
日本国大使館などをはじめとした世界各地のVIPが集まるパーティーで佐賀牛が振る舞われ、賞賛を浴びた時の感動は忘れられません。コロナ禍で渡航ができない時期も、現地との関係性を絶やさぬようオンライン等で懸命に繋がり続けました。「他県に先駆けて、とにかく自分たち(佐賀)がやるんだ!」という強い想いを関係者全員が共有し、定期的な協議で方向性を合わせ続けたことが、困難を乗り越える力になりました。
事業者コメント:「この連携体制こそが、佐賀の強み」
「公社の支援がなければ、これほど世界各地への輸出や定番化は実現できませんでした。 JAと県、そして公社がここまで密に連携し、長年にわたって事業を展開している地域は、他にないと自負しています。これまでの地道な努力と信頼関係が、現在の成果に繋がっています。これからも佐賀牛が世界中で愛されるよう、ワンチームで頑張りたいですね!」
支援した事業者
佐賀県農業協同組合(JAさが)
佐賀県の農業と地域の暮らしを支える総合農協。農畜産物の生産・販売をはじめ、営農支援や購買、金融、共済など幅広い事業を通じて、地域に根ざした役割を担っている。
その他の支援実績
いいものを、いい贈りかたで。三越伊勢丹のEC「ムードマーク」と佐賀県産品の挑戦
唐津くん煙工房
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田島柑橘園&加工所
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東鶴酒造株式会社
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