karatsuyaki

唐津焼

主な生産地:佐賀

使うほどに味わい深くなる佗び寂びの陶器

16世紀末、唐津の岸岳城を居城とした領主波多氏の庇護の下、朝鮮半島から「蹴(け)ロクロ」や「登り窯」などの新しい技術を導入して焼かれたのが唐津焼の始まりです。
まもなくおこった文禄・慶長の役で、朝鮮半島へ出陣した諸大名は、多くの朝鮮陶工を連れて帰国し日本の窯業界に多大な影響を与えました。唐津焼もこのとき新たに加わった陶工たちによって、大きく発展することになります。
大量の唐津焼が船で京都・大阪をはじめとする全国へ運び出され、「一楽、二萩、三唐津」と言われるほど、茶人ほか多くの人々から親しまれるようになりました。
原料となる土は、窯元によって滑らかなものからゴツゴツしたものまで使われ、装飾の仕方や釉薬(せゆう)にもさまざまな種類があります。そのため唐津焼と一口でいっても、「絵唐津(えがらつ)」「朝鮮唐津(ちょうせんがらつ)」「斑唐津(まだらがらつ)」「青唐津(あおがらつ)・黄唐津(きがらつ)」「黒唐津(くろがらつ)」「粉引唐津(こひきがらつ)」「三島唐津(みしまがらつ)」など様々な技法があり、焼きあがった風合いも全く異なります。
使いこむほどに味わい深く、艶やかに変化していくことが魅力的な唐津焼。素朴で力強い「用の美」の器として市内約70の窯元で作り続けられており、街をあげて唐津焼の魅力を発信する取り組みも積極的におこなっています。

 

朝鮮唐津の角皿

 

松の絵が描かれた片口酒器

 

侘び寂び感じる抹茶碗

 

特徴

唐津焼は生活の道具としての素朴な美しさが魅力。料理を盛り、花を生けることで完成する「用の美」を備えています。粗く渋い素地からは、独特の温もりと力強さが感じ取れます。

 

櫛自(くしめ)や掻(か)き落(お)としなどの伝統技法で加飾

原土を採掘し乾燥させた後、粉砕しふるいで土質を均ー化し、水を加えて土を練り陶土を作ります。ロクロ、型打ち、押型、たたら成形などの技法で成形します。高台を削り仕上げし、自然乾燥させます。
素地に彫りや櫛目(くしめ)、象(ぞう)がん、掻(か)き落(お)としなどの伝統技法で加飾します。その後、必要があれば一度素焼きを行い、毛筆や刷毛(はけ)で絵付けし、釉薬(ゆうやく)をかけて乾燥させた後、慎重に窯詰めして本焼成(ほんしょうせい)します。最高1300℃まで温度を上げながら、30~40時間焼き上げて完成します。

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