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武雄焼

主な生産地:佐賀

伝統と斬新さが融合し躍進を続ける

武雄焼は、文録・慶長の役の時、武雄領主に同行した陶工らが渡来し、その中の深海宗伝(ふかうみそうでん)とその妻である百婆仙(ひゃくばせん)が、武雄の地で作陶したことが始まりとされています。
1600年頃の武雄焼は、絵唐津(えがらつ)や白化粧土(しろげしょうど)を使った器が盛んに作られていました。江戸時代には日本各地へ流通し、東南アジアにも輸出されていました。
武雄焼の産地である武雄市は、「陶器」と「磁器」の両方がある珍しい産地です。陶器の技法としては「鉄絵緑彩(てつえりょくさい)」、「象(ぞう)がん」、「刷毛目(はけめ)」、「鉄絵(てつえ)」、「緑褐釉(りょっかつゆ)」、磁器だと「染付(そめつけ)」、「色絵(いろえ)」など各種蝠広くあり、大皿、瓶、水指、茶碗、甕(かめ)など多種多様な器が作られています。
武雄市内には現在、およそ90軒もの窯元があります。それぞれの窯元が、伝統的な技法を生かしながら、個性を尊重し、多様な製品を生み出しています。
この地ならではの「個性」と「多様さ」が武雄焼の特徴であり、つねに新しい技法ヘチャレンジする窯元の器は、触れる方の心を魅了しています。

 

 

白磁のコップ

 

独自の釉薬を使った陶器アクセサリー

 

特徴

伊万里・有田焼と唐津焼の名産地に挟まれた武雄市で作られる武雄焼は、土味を生かした茶系統の「陶器」と白く輝く「磁器」の両方の種類が存在し、その幅広い作風が武雄焼の特徴です。

 

古武雄(こだけお)から続く多彩な文様表現が魅力

武雄焼には刷毛目(はけめ)や鉄絵緑彩(てつえりょくさい)による様々な文様が描かれています。そのうちのひとつが鉄絵緑彩(てつえりょくさい)での「松文(まつもん)」です。器に白化粧土(しろげしょうど)を刷毛塗(はけぬ)りし、ぞの上に鉄顔料の釉薬(ゆうやく)で輪郭線や幹などを描き、銅緑釉(どうりょくゆう)で松葉を塗り、松絵を描きます。褐色の太い幹に、鮮やかな緑の松葉が対照的な松の文様は、古武雄(こだけお)の代表的な表現のひとつです。
松は神の宿る木とされ、能舞台には必ず描かれています。冬でも緑葉を保つため生命力を感じさせ、長寿を意味する吉祥文様として古来より好まれていました。

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