SAGAPIN STORY

本当においしいアスパラガスのために、
探究心は尽きない。

橋本農園 [杵島郡白石町]

INTRODUCTION
JRの観光列車や東京の星付きレストランなどにも食材として使用される橋本農園のアスパラガス。食べれば、みずみずしいやわらかな食感と奥深い甘みを感じることができます。
そこには、橋本さんが試行錯誤の末、たどり着いた独自の栽培方法がありました。しかし、おいしいアスパラガスを作るその挑戦はまだまだ続いているそう。今回は、そのおいしいアスパラガスの秘密に迫りました。

内緒にしたい、おいしさの秘密。

「とっても甘くて、スジを感じない。どうやったらこんなにおいしいアスパラガスを作れるんですか?」ありがたいことに、よく受ける質問です。作り方は、できれば内緒にしたい。だけど、たくさんの人においしい理由を知ってもらいたいという気持ちもあるから、これまでに培ってきたことを少しお話しますね。もちろん、言える範囲でね。

アスパラガスの生産は、約25年前に定年退職した父と一緒にスタートしました。父は農協で普及指導員や栽培技術などの研究をしていました。だから、アスパラガス作りの師匠は、父親。基本的には父の教えを守っています。

そこから、独自に研究や情報収集、試行錯誤を重ねてきました。現在の栽培方法は、化学肥料や農薬の使用を必要最低限に抑える作り方。農林水産省の「特別栽培農産物ガイドライン」もクリアしているんですよ。

では、化学肥料ではなく、何をアスパラガスに与えているのかというと、自分で開発した有機肥料です。例えば、カニ殻や牡蠣殻を用いて、アスパラガスの成長を大きく助ける養分を与えたり。その他、自然由来のものを用いた堆肥づくりなど、今もなお研究は続いています。ベースには父の教えがあって、いいものを作るためには、どうしたらいいか?そんな想いで、毎日アスパラガス作りに挑んでいます。


大切にしているのは、量よりも質。

私たちがアスパラガスを生産する白石平野。もともと海だったこの土地は、ミネラルをたっぷりと含んだ粘土質。アスパラガスはもちろん、レンコンや玉ねぎなど、佐賀県を代表する野菜が育ちます。

また、畑は有明海まで3kmほどの場所にあり、潮風を感じることができます。そんな有明海へ海水を汲みに出かけ、畑へ撒きます。海水を撒くことによって土にミネラルなどの海の恵みを与えて、さらに、草を生えにくくする除草の効果を期待しています。これも除草剤や農薬を使用しない工夫のひとつですね。海水は有明海のものだけでなく、玄界灘の方にも汲みに出かけます。車で2時間ほどかけて、一度に1,000リッターほどの量を持って帰ってくるんです。塩分濃度の違う2種類の海水をそれぞれ撒く場所で使い分けています。

また、アスパラガスの株の寿命は、約20年くらいと言われています。しかし、長く収穫を続けると細いアスパラガスしか採れなくなったり、味がイマイチになってしまう。だから、株をきちんと休ませるようにしています。スケジュールを決めて、収穫をしない年をつくり、休眠と土づくりに集中する時間を設けています。

だから、収量は少ないですよ。でも、それより大事に大事に手をかけて育てあげ、目の届く範囲を大切にしながら本当においしいものを作りたいんです。


期待を背負って、もっと良いものを。

アスパラガスの収穫は一般的に、春と夏の2回あります。春は新芽のようにやわらかく、夏はしっかりとした食感に育つのが一般的。どちらかと言うと、やわらかい春芽が人気を集めますが、橋本農園では、春も夏も遜色ない、甘くやわらかなアスパラガスづくりを目指しています。

そんな努力を認めていただき、JR九州の観光列車内で提供される食事にも、私たちのアスパラガスが使用されています。JR九州も農園を持っていて、アスパラガスを栽培しているそうですが、それでもうちのアスパラガスを使用してくれています。それは私たちの大きなモチベーションになりました。

他にも、東京のホテルやレストランでも私たちが作るアスパラガスを使っていただいています。飲食店と直接取引することで、刺激をもらい、それがより良いアスパラガスづくりにつながっています。さらに、お客さまに喜んでもらいたいと思い、グリーンに加えて、ホワイト、パープル、ピンクの4色のアスパラガスを作るようになりました。味はもちろん、その珍しさからテーブルの演出には欠かせない存在になりつつあるようです。今後も期待に応えて、期待以上のおいしいものを作り続けたいと考えています。

アスパラガスの
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